求人広告代理店とは?利用するメリットや流れを解説

澤田 有佑

WRITER澤田 有佑

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優秀な人材を獲得するには、戦略的な求人広告運用が重要です。しかし、数多くの求人媒体から最適なものを選び、効果的な原稿を作成するのは簡単ではありません。そこで活用したいのが、採用活動を総合的にサポートする求人広告代理店です。

本記事では、求人広告代理店の基本的な役割から、直販との違い、利用するメリット、サポート内容と依頼する流れなどを詳しく解説します。

求人広告代理店とは?

求人広告代理店は、求人サイトなどの媒体を運営・販売するメーカーに代わって掲載枠を販売する会社です。単に求人広告の掲載枠を販売するだけでなく、媒体の選定や原稿作成、掲載手続きなどをサポートします。

さらに近年では、採用オウンドメディアの立ち上げ支援や広告運用支援を手がける代理店も増えており、企業の採用活動を総合的に支援する存在となっています。

代理店によって得意分野や取引形態が異なるため、自社のニーズに合った選び方が重要です。ここでは、代理店の種類や役割について、課金モデルと取引形態で見ていきましょう。

課金モデルで見る代理店のタイプ

求人広告代理店は、かつて「専属代理店」と「総合代理店」に分かれていました。しかし、最大手であるリクルートの媒体が代理店経由での個別掲載をやめ、Indeed PLUSの連携求人サイト(※)に移行したことをきっかけに、実質的な区分はなくなりました。これにより、代理店ごとの取り扱い商材に大きな差はなくなり、現在は「課金モデルごとの得意分野」で見極めるのが一般的です。

※掲載対象となる連携求人サイトの種類や掲‬載可能時期は変更の可能性があります。

例えば、マイナビ転職やtype、バイトルといった掲載課金型・応募課金型の媒体に強い代理店は、原稿制作力やプラン活用のノウハウを持ち、幅広い求職者層に効率的にリーチできます。一方、Indeedや求人ボックスといった運用型広告に強い代理店は、クリック単価の最適化やデータ分析を通じて、応募数を最大化することに強いのが特徴です。

こうした代理店の特性を理解し、自社の採用計画に合わせて選ぶことで、費用対効果の高い採用活動が実現できるでしょう。

取引形態で見る「一次」と「二次」

求人広告代理店の取引形態は、「一次代理店」と「二次代理店」に分けられます

一次代理店は、メーカーと直接契約を結び、掲載枠の販売やサポートを行う代理店です。二次代理店は一次代理店から委託を受けて販売やサポートを行う代理店となります。

二次代理店は一次代理店にマージンを支払う関係上、費用がやや高くなりやすいです。また、ノウハウやサポート体制に差がある場合もあるため、依頼前によく確認しましょう。

求人広告代理店と直販の違い

求人広告代理店の特徴やメリットを理解するには、直販と比較することが重要です。

直販とは、メディアを運営するメーカーが、企業に対して掲載枠を直接販売することです。対する求人広告代理店は、メーカーと企業のあいだに立ち、掲載枠の販売や掲載のサポートを行います。

それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に応じた選択が必要です。

ここではその違いを、「媒体の取扱数」「複数の媒体へ掲載した際の窓口」「提案内容・媒体への知識」「価格」に分けて詳しく見ていきましょう。

媒体の取扱数

メーカーが直販で取り扱えるのは、自社が運営する特定の1メディアのみです。たとえ同じメーカーであっても、メディアごとに窓口が異なるため、複数のメディアをまとめて扱うことはできません。

一方、求人広告代理店であれば、同一メーカーの複数メディアや、複数メーカーにまたがる媒体をまとめて提案・販売できるため、取扱数の幅が大きいのが特徴です。採用ターゲットに応じて、最適な媒体を組み合わせることが可能となります。

複数の媒体へ掲載した際の窓口

求人広告は、ターゲットや職種に応じて複数の媒体へ掲載するケースが多いです。直販の場合は、媒体ごとに担当部署や窓口が異なるため、それぞれ別々にやり取りを行わなければならず、調整や管理の工数が増えてしまいます。たとえ同じメーカーであっても、『バイトル』と『はたらこねっと』のように担当者が異なるのが一般的です。

一方、求人広告代理店を活用すれば、複数媒体の窓口を一括で担ってくれるため、企業はやり取りを一本化できます。採用活動の手間や負担を大幅に削減し、効率的に複数の媒体を活用できる点が大きなメリットです。特に採用担当者が少ない企業におすすめといえるでしょう。

提案内容・媒体への知識

メーカーは自社メディアに関する一次情報を直接持っているため、知識量やデータの正確性という点では最も豊富です。ただし、自社媒体に特化しているため、他媒体との比較や横断的な提案には限界があります。

一方、求人広告代理店はメーカーから提供される情報に加え、複数企業の利用実績をもとにしたノウハウが魅力です。採用ニーズに応じて、複数媒体を比較しながら最適な提案を行ってくれるでしょう。

総量としてはメーカーが上回る部分もあります。しかし、情報の活用力や中立的な視点では代理店が優れているケースも多く、担当者の力量によって差が出やすいのも実情です。

価格

求人広告代理店は「直販より高い」というイメージを持たれがちです。ですが実際には、媒体の定価が適用されるため、直販と代理店で料金に大きな差はありません。掲載課金型媒体(マイナビ転職やバイトルなど)は定価ベースの料金体系で、代理店を通すことでキャンペーン割引が適用される場合もあります。

一方、運用型広告(Indeedや求人ボックスなど)は、出稿する広告費に加え、運用代行費(広告費の15%など)が発生するケースも多いですが、運用まで充実したサポートを受けられるのが特徴です。

求人広告代理店に依頼するメリット

求人広告代理店を依頼する主なメリットは次のとおりです。

  • 採用業務を効率化できる
  • 求人広告のノウハウを活用できる
  • 求人募集に関する知識を得られる

ひとつずつ見ていきましょう。

採用業務を効率化できる

採用活動には採用計画や戦略の立案、採用条件の設定、求人媒体の選定や掲載準備、応募者対応、面接調整、面接の実施、選考など、幅広い業務が伴います。これらの負担が採用担当者に集中してしまうと、応募者対応の遅れや、採用の質の低下などにつながりかねません。

加えて、人材不足により企業間の採用競争は激化しており、求める人材を確保するためにはスピード感のある対応が求められます。

求人広告関連の業務を代理店に任せれば、媒体の選定や原稿作成、掲載手続き、効果分析などの作業を委託できます。これにより、採用フロー全体のスピードを高めることが可能です。

特に、複数の媒体に掲載する場合は、契約手続きや原稿管理、担当者とのコミュニケーションも個別に行う必要があります。そこで、一括管理できる代理店に依頼すれば、大幅な効率化が可能です。担当者は応募者対応や面接といったコア業務に集中できるため、負担を軽減しつつ、採用の成果を向上できるでしょう。

求人広告のノウハウを活用できる

求人広告は、掲載すれば必ず応募が集まるわけではなく、特に企業が求める人材に応募してもらうのは容易ではありません。「どの媒体に掲載するか」「どのような内容で掲載するか」といった要素が応募数に影響します。しかし、これらを自社だけで効果的に行うには、時間やコストもかかってしまい、経験やノウハウも必要です。

求人広告代理店は、多数の企業の採用支援を行ってきた経験とノウハウを有しています。これにより、企業の採用ニーズを踏まえ、最適な媒体の選定や、応募率・採用率を意識した原稿作成、掲載後の改善提案まで包括的なサポートが可能です。代理店の知見を活用することで、効率的かつ成果の高い採用活動を実現できるでしょう。

求人募集に関する知識を得られる

求人広告代理店を活用すると、求人募集に関する戦略や市場分析のコンサルティングを受けられます。例えば、自社の強み・弱みの把握や競合企業の動向などの具体的なアドバイスを受けられ、採用活動全体に生かせるでしょう。

求人サイトの広告支援を専門とするクロスリンクでは、社内勉強会を実施し、社内全体で成果を上げるような協力体制づくりが可能です。求人原稿の作成には複数の担当者が関わることが多いため、全員が共通の知識を持つことで協力体制が整い、広告効果を最大化できます。

求人広告代理に依頼する際のデメリットや注意点

求人広告代理店の活用には多くのメリットがある一方で、以下のようなデメリットや注意点も存在します。

  • 代理店によって得意分野が異なる
  • 代理店によってサービスの質が異なる

それぞれ見ていきましょう。

代理店によって得意分野が異なる

求人広告代理店は、それぞれ得意分野や専門領域が異なります。

例えば、中小企業や中途採用の採用支援に強みを持つ代理店もあれば、SNSを活用した求人広告が得意なところなど様々です。また、特定の求人サイトを強みとしている代理店もあるでしょう。得意とする分野や実績が異なるため、知見や経験の深さによって提案内容や改善策の精度も変わってきます。

自社の採用ニーズを明確にしたうえで求人広告代理店を選べば、より大きな広告効果を期待できます

クロスリンクは、Indeed認定パートナーとして高い評価を得ており、豊富な実績と専門的なノウハウで企業様の採用活動をサポートできるのが強みです。Indeedを活用した求人募集を検討する際は、お気軽にご相談ください。

代理店によってサービスの質が異なる

代理店ごとに提供するサービス内容は異なります。

例えば、広告効果の分析は多くの代理店で行われていますが、分析の頻度や項目といった詳細は代理店によって様々です。また、求人サイトの代理店の場合、面接代行や入社後の研修まで依頼できるところもあるでしょう。

そのため、どの程度のサポートを受けられるかを事前に確認し、自社の採用ニーズに合った代理店を選ぶことが重要です。サービス内容と費用のバランスを考慮し、最適な代理店を選定しましょう。

求人広告代理店の主なサービス内容・流れ

下表は、一般的な求人広告代理店が提供しているサービスと、依頼時の流れについてまとめたものです。

サービス内容・流れ詳細
1.ヒアリング募集したい職種やターゲット、予算、スケジュールなど、採用に関する要件や希望を代理店へ共有
2.最適な媒体とプランの提案ヒアリングをもとに最も効果的な媒体と、その媒体のプランを提案
3.求人原稿の作成サポート求職者に響く原稿作成のサポート
4.採用市場の動向などの情報提供求職者の応募傾向や、給与水準などの採用市場の動向を共有
5.媒体への掲載求人情報を公開
6.広告効果の分析・改善提案公開した求人情報のクリック回数や応募数などを分析し、改善策を提案

まとめ

求人広告代理店は、求人サイトなどの媒体を運営・販売するメーカーに代わって掲載枠を販売する会社です。掲載枠の販売だけでなく、媒体の選定や原稿作成、掲載手続きなどを総合的にサポートしてくれます。複数の媒体を一括で扱える点や、窓口を一本化できる点、専門的なノウハウを活用できる点など、メリットは多いです。

特に、採用業務に割けるリソースが無い場合や、求人広告運用のノウハウが少ない企業にとって、代理店の活用は有効な選択肢となるでしょう。一方で、代理店によって得意分野やサービスの質が異なるため、自社の採用ニーズに合った代理店を選びましょう。課金モデルや取引形態、実績などを総合的に判断し、最適なパートナーを見つけることが採用成功への近道です。

クロスリンクは、Indeedをはじめとする求人広告の運用に強みを持ち、企業の採用課題に合わせた最適な提案を行っています。豊富な実績と専門的なノウハウに基づいて、企業の採用活動を丁寧にサポートいたします。採用活動でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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澤田 有佑

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澤田 有佑

株式会社クロスリンク取締役。システムエンジニアを経て独立し、年間1億円以上のWeb広告運用やSEO実務を経験。Indeed認定パートナー(Silver+)、求人ボックスダブルスター代理店として、中小企業から大手企業まで採用課題を幅広く支援。応募数改善や採用単価削減の成功事例を多数持つ。現在は生成AIを活用した求人広告運用・コンテンツ制作に注力し、本メディアで採用マーケティングの最新知見を発信している。

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