求人広告とは?強み・仕組み・メリットなどを徹底解説

澤田 有佑

WRITER澤田 有佑

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求人広告の活用は、現在の採用活動において欠かせない要素といえるでしょう。

求人広告は、企業が自社の求人情報を広く発信し、多くの求職者にアプローチできる採用手法です。しかし、その仕組みや活用方法を正しく理解していなければ、期待する採用成果につながりません。

本記事では、求人広告の仕組みや種類、メリット・デメリット、実践的な活用方法などを詳しく解説します。

求人広告とは

求人広告とは、企業が自社の採用情報を求職者に伝えるために出稿する広告のことです。新聞や雑誌などの紙媒体からWebサイトまで、さまざまな媒体を通じて求人情報を公開し、応募者を募集します。

ここでは、求人広告の特徴と強み、人材紹介との違いを見ていきましょう。

求人広告の特徴や強み

人手不足が深刻化する現在において、企業にとって人材獲得は大きな課題です。解決には「どうすれば求職者に自社の求人情報に興味をもってもらえるか」「自社のニーズに適した人材から応募を受けられるか」を考える必要があります。

求人広告の特徴は、不特定多数の求職者にアプローチでき、母集団形成がしやすい点です。また、掲載する媒体やコンテンツ内容を工夫することで、求職者の関心を高め、ターゲット層を絞った戦略的な採用活動が可能になります。企業は自社のニーズに合った人材から応募を受けやすくなり、採用の質と量を同時に向上させることができます。

求人広告と人材紹介の違い

求人広告と人材紹介は、「人材を集める」という企業の目的は共通していますが、求人広告と人材紹介はまったく異なる手法です。

求人広告は、企業が求人情報を公開し、その情報を見て興味を持った求職者から応募を集めます。無料で利用できるサービスもありますが、有料の場合は求人情報を広告に載せることに対して費用を支払うことが一般的です。

一方の人材紹介は、企業の採用要件に合った候補者を、紹介会社が推薦する手法になります。企業は、採用が決まったことに対して、紹介会社に報酬を支払う流れです。

また、求人広告では面接の日程調整などのやり取りを応募者と企業が直接行いますが、紹介会社の場合は紹介会社と企業間で行うという違いもあります。

求人広告の基本的な仕組み

求人広告を効果的に活用するためには、まず基本的な仕組みを理解しましょう。特に重要なポイントとして、以下3つを押さえておきましょう。

  • 誰が、どう関わっているのか?
  • どうやって費用が決まるのか?
  • どのような流れで広告を出すのか?

ここでは、上記の観点から求人広告の仕組みについて詳しく解説します。

誰が、どう関わっているのか?

求人広告のビジネスモデルには、「採用企業」「求人広告の媒体」「求職者」の3者が関わります

また、採用企業と求人広告の媒体のあいだに「求人広告代理店」が入ることもあります。これは、採用企業の依頼を受けて、どの媒体に掲載するかの提案や求人原稿の作成支援、広告効果の分析などを行い、採用成果の最大化をサポートする会社です。

これら4者の関係をまとめると、以下のようになります。

採用企業人材を求めて、求人情報を提供する
求人広告代理店(依頼する場合)採用企業から依頼を受けて、求人広告の成果最大化をサポートする会社
求人広告の媒体採用企業が提供した求人情報を公開する場所
求職者公開された求人情報を閲覧する・応募する人

どうやって費用が決まるのか?

求人広告の媒体やメーカーによって料金体系・費用は異なります。下表は、求人広告に用いられる4つの料金体系を簡潔にまとめたものです。

料金体系詳細
掲載課金型求人広告を掲載した期間に応じて費用が発生する
クリック課金型求職者に求人情報がクリックされてはじめて費用が発生する
成果報酬型成果(応募あるいは採用)に応じて費用が発生する
完全無料型登録から採用に至るまで費用が一切発生しない

このほか、登録から採用まで基本的には無料で利用できるものの、有料オプションを追加することで求職者の目に留まりやすくしたり、分析機能を利用できたりするものもあります。

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求人広告の費用相場はいくら?採用区分・料金体系・媒体別の相場や特徴

どのような流れで広告を出すのか?

求人広告を出す際の一般的な流れは以下のとおりです。

1.求人広告を掲載する媒体の選定
まず、自社の採用ニーズにマッチした求人広告媒体を選定します。複数の媒体を検討し、問い合わせや打ち合わせを行った上で、最終的に依頼する媒体を決定します。

2.ヒアリング・プランの決定
選定した媒体の担当者により、採用したい人材要件や予算、スケジュールなどの詳細なヒアリングが行われます。このヒアリング結果をもとに最適なプランが提案され、内容に問題がなければ契約を締結します。

3.取材・原稿作成
媒体によっては取材や撮影、原稿作成もサービスに含まれている場合があります。この段階では、スムーズに対応できるよう、あらかじめ求人情報を整理してまとめておくと安心です。原稿作成後は採用企業への確認が行われ、必要に応じて修正が実施されます。

4.掲載スタート
完成した求人広告を選定した媒体に掲載し、募集を開始します。

5.効果
求人広告代理店を利用している場合は、掲載後の効果分析や改善提案が行われます。これにより、より効果的な採用活動の実現が期待できます。

求人広告の種類

求人広告の種類は大きく分けて以下の2つです。

  • Web媒体
  • 紙媒体

近年はデジタル化の進展により、Web媒体の利用が主流となっています。ですが、紙媒体も特定の層や地域へのアプローチには有効です。それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

Web媒体

Web媒体は、インターネットを通じて求人情報を発信する方法です。代表的なものとして、以下の4つがあります。

・求人サイト
・自社採用サイト
・求人検索エンジン
・SNS広告

◯求人サイト

求人サイトは、さまざまな企業の求人情報が掲載されたサイトです。ITエンジニアやデザイナー、医療系、パート・アルバイトなど、特定の業種や雇用形態に特化したサイトもあります。採用ニーズに応じて選ぶことで、効率的に応募者を集められます。

◯自社採用サイト

自社採用サイトは、企業の公式ホームページに採用ページを設けたり、採用に特化したサイトを新しく作成する方法です。デザインやコンテンツの自由度が高く、企業独自のカラーを打ち出しやすいため、雰囲気や働き方を具体的に伝えられます。さらにSNSや求人媒体と連携した情報発信も可能で、応募者との接点拡大やブランディング強化にも有効です。サイト設計やサーバー費用といった一定のコストはかかりますが、一度作れば継続的に企業の魅力を発信できます。

◯求人検索エンジン

求人検索エンジンは、求人サイトや企業の採用サイトといったWeb上の情報を集め、まとめて掲載するサービスです。複数のサイトをチェックする手間が省けるため、多くの求職者に利用されています。ただし、掲載は基本的に無料ですが、そのぶん他社の求人に埋もれやすい点が課題です。そのため、必要に応じて魅力的な原稿作成や有料オプションの活用が求められます。

◯SNS広告

SNS採用は、Facebook、Instagram、X、LinkedInなどのSNS上に求人情報や採用関連の広告を配信する手法です。年齢、性別、居住地、職歴、興味関心などの高度なターゲティングが可能なので、求める人材に効率的にアプローチできます。

紙媒体

紙媒体の求人広告は、紙のツールを利用した求人広告です。代表的な手法は以下の3つです。

・求人情報誌
・フリーペーパー
・折込チラシ

求人情報誌は求人情報を、フリーペーパーは地域情報や生活情報、求人情報などの複数の情報を冊子形式でまとめています。折込チラシは新聞やフリーペーパーの中に挟むのが一般的です。

紙媒体の求人広告は、インターネットを得意としない人や年齢層の採用に向いています。いずれも特定の地域ごとに発行・配布するため、地域に根差した採用を行いたい場合に有効でしょう。

ただし、Web媒体と違って掲載できる情報量が限られるため、求人情報や企業の魅力を伝えきれない可能性があります。

求人広告のメリット・デメリット

ここでは、求人広告のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。

メリット

求人広告を利用する主なメリットは2つあります。

1つ目は、求職者に対して広く求人情報を届けられることです。Web媒体や紙媒体を通じて情報を公開できるため、多くの人の目に触れてもらうことができます。

2つ目は、潜在層にもアプローチできることです。求人広告にアクセスする人のなかには、「いい求人があれば転職したい」「なんとなく閲覧してみた」という潜在層も少なくありません。自社の魅力を伝えることで興味を持ってもらい、将来的な応募につながる可能性があります。

デメリットや注意点

求人広告を利用するデメリットや注意点は主に2つあります。

1つ目は、費用がかかることです。無料の求人広告も存在しますが、利用者が多いため求人情報が埋もれやすくなります。有料の求人広告を利用すれば、求職者の目に触れやすくすることが可能です。しかし、広告が目に留まっても、雇用条件や仕事内容などに魅力を感じてもらえなければ、採用につながりません。

2つ目は、時間や手間がかかることです。求人広告を掲載するまでには、媒体選びから、問い合わせ、打ち合わせ、ヒアリング、原稿作成と、複数のステップを踏む必要があります。特に、業種やターゲットに合わせて複数の媒体を利用する場合は、それぞれの担当者と個々にやり取りしなくてはなりません。

これらの課題を解決するには、求人広告代理店の利用が有効です。求人広告代理店はノウハウが豊富なため、コストを最小限にして成果を最大化し、担当者の負担軽減も期待できます。

クロスリンクであれば、豊富な実績や専門的なノウハウに基づいて、企業様に最適な運用方法をご提案できます。

<内部リンク|求人広告代理店とは>

求人広告を活用して採用強化するポイント

ここでは、求人広告を活用して採用活動を強化するための、5つのポイントを紹介します。

  • 求める人材を明確にする
  • ターゲットに合った媒体を選定する
  • 競合他社の求人広告を確認する
  • 求職者の目線で原稿を作成する
  • 状況に応じて媒体・原稿・応募条件を見直す

ひとつずつ見ていきましょう。

求める人材を明確にする

求職者の関心を引くためには、採用したい人材像を具体的にイメージして求人広告を作成することが重要です。例えば、副業希望者をターゲットにする場合は、求人広告に「副業可」「ダブルワーク歓迎」といった表現を盛り込めば、該当する人材の目に留まりやすくなります。

また、求める人物のスキルや経験、働き方のスタイル、価値観を明確にし、求人広告に反映することも大切です。応募者が自分に合った仕事や職場かどうかを判断しやすくなり、採用後のミスマッチを減らせるでしょう。

ターゲットに合った媒体を選定する

求める人材を明確にしたら、その層に適した媒体を選定しましょう。媒体によって特徴や利用者層が異なるため、選び方によって採用効果が大きく変わります

例えば、Web媒体は多くの求職者に効率的に情報を届けやすいです。一方、紙媒体は特定の地域や年齢層に向けて情報を届けやすいため、地域密着型の採用に適しています。

また、求人サイト一つとっても、新卒向け、中途向け、パート・アルバイト向け、特定の業種に特化したもの、特定の領域には特化していないものなど、さらに細かく分類されます。自社が採用したい人物像と媒体の特性を照らし合わせ、最適な媒体を選ぶことで、応募者の質や量を高め、採用成功につながるでしょう。

競合他社の求人広告を確認する

求職者は、同じ職種の複数の求人を比較して応募先を決めるため、より条件の良い企業や魅力的な内容の求人は選ばれやすいです。自社の求人広告を作成する際には、競合他社の広告を確認しましょう。

具体的には、募集条件や仕事内容の伝え方、キャッチコピーや写真の使い方などをチェックします。競合他社の表現方法を参考にしつつ、自社の強みを見つけて差別化を図ることで、求職者にとって印象的で魅力ある広告に仕上げることができます

求職者の目線で原稿を作成する

求人広告を作成する際には、企業側の伝えたい内容だけでなく、求職者が知りたい情報を盛り込むと良いでしょう。例えば、会社の雰囲気がわかる画像や1日のスケジュール例を掲載することで、求職者が実際に働く様子をイメージしやすくなり、応募へのハードルが下がります。

また、「毎月の平均残業時間○時間」「有給取得率○%」といった具体的な数値を示すことで、企業の魅力や働きやすさがより伝わり、応募につながりやすくなります。

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求人広告に必要な14項目の書き方を解説!具体例と作り方のコツ

状況に応じて媒体・原稿・応募条件を見直す

求人広告を掲載しても応募が集まらなかったり、求める人材からの応募が少ない場合は、状況に応じて媒体や原稿、応募条件を見直しましょう。

具体的には、ターゲット層に合った媒体を選び直したり、求人原稿の表現や伝え方を改善したり、給与や勤務時間などの応募条件を調整したりするのが有効です。

求人広告以外に求人募集する方法は?

求人広告以外にも求人を募集する方法があります。採用目標や予算、求める人材によって最適な手法は異なるため、複数の方法を組み合わせることで、より効果的な採用活動を展開できるでしょう

求人広告以外で求人募集をする方法は、以下のとおりです。

方法詳細
人材紹介企業の採用要件に合った候補者を、紹介会社が推薦する手法です。紹介会社が候補者選びや応募者管理などの業務を代行してくれるため、採用企業は選考に注力できます。また、非公開での募集も可能なので、競合他社に知られたくない場合などにも有効です。
リファラル採用働いている従業員や知人から候補者を紹介してもらう方法です。すでに社内の雰囲気や業務内容を理解している従業員が推薦するため、入社後のミスマッチが少ないという特徴があります。
ダイレクトリクルーティング専用のサービスに登録した求職者に対し、企業が自らターゲット人材に直接アプローチして採用する方法です。この手法により、狙った人材にピンポイントでアプローチできるため、効率的な採用活動が期待できます。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)SNSの投稿によって採用活動を行う方法です。現代では多くの人がSNSを利用しており、高い拡散力を活かして魅力的な情報を発信することで、より多くの人に求人情報を見てもらえます。一方で、投稿内容や対応次第では企業イメージが低下するリスクもあるため、運用には注意が必要です。運用を外部に依頼する場合は費用はかかりますが、SNSの利用自体は無料または低コストで利用できます。

求人広告やその他の求人募集を含む、求人方法のアイデアについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

目的の人材が見つかる求人方法11選!選び方や成功のコツを解説 – しゅふJOB

まとめ

求人広告は、企業が自社の採用情報を求職者に伝えるために出す広告です。主な媒体はWebと紙で、近年はWebのほうが主流です。

求人広告のメリットは幅広い求職者に自社の情報を届けられることですが、一方で、一定の費用がかかることや、競合が多く埋もれやすいといった課題も存在します。効果的な活用には、ターゲットの明確化や適切な媒体選定、自社の強みを活かした広告作成が欠かせません。

しかし、求人広告に慣れていないと、効果的な求人広告運用は難しいでしょう。そのような場合は、求人広告代理店を活用するのがおすすめです。

クロスリンクでは、豊富な実績と専門的なノウハウに基づいて、企業様の採用活動をサポートいたします。「求人広告の掲載を検討している」「戦略的な求人広告運用を行いたい」という企業様は、お気軽にクロスリンクにご相談ください。

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澤田 有佑

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澤田 有佑

株式会社クロスリンク取締役。システムエンジニアを経て独立し、年間1億円以上のWeb広告運用やSEO実務を経験。Indeed認定パートナー(Silver+)、求人ボックスダブルスター代理店として、中小企業から大手企業まで採用課題を幅広く支援。応募数改善や採用単価削減の成功事例を多数持つ。現在は生成AIを活用した求人広告運用・コンテンツ制作に注力し、本メディアで採用マーケティングの最新知見を発信している。

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