現代は人材不足が深刻です。優秀な人材を採用するためには求人広告の活用が欠かせません。しかし、求人広告には様々な媒体や料金体系があり、費用負担に悩んで踏み切れない方も多いのでしょう。
本記事では、求人広告の料金体系や、採用ごと、媒体別ごとの費用相場について詳しく解説します。
【この記事で分かること】 ・採用区分別の求人広告費用相場 ・求人広告の主な料金体系とその特徴 ・媒体別の掲載料金目安と効果的な活用方法 |
求人広告の主な掲載料金体系
まず求人広告がどのような料金体系になっているかご説明します。求人広告の料金体系は主に以下の4つです。
掲載課金型 | 求人広告を掲載した期間に応じて費用が発生する |
クリック課金型 | 求職者に求人情報がクリックされてはじめて費用が発生する |
成果報酬型 | 成果(応募あるいは採用)に応じて費用が発生する |
完全無料型 | 登録から採用に至るまで費用が一切発生しない |
それぞれの仕組みや特徴を紹介します。
掲載課金型
掲載課金型は、求人広告を掲載した期間に応じて費用が発生する料金体系です。求人サイトで採用されていることが多く、広告掲載時にプランごとに定められた費用を先に支払うため、採用人数に左右されることがありません。
多くの募集を行う場合でも追加コストがかさみにくい点がメリットです。一方で、応募者が集まるかどうかに関わらず一定の費用が発生するため、契約期間内に採用が決まらなければ費用が無駄になる可能性があります。
クリック課金型
クリック課金型は、求職者に求人情報がクリックされたときにはじめて費用が発生する料金体系です。求人検索エンジンで多く用いられます。サービスによってクリック1回ごとの費用「クリック単価」が設定されており、「クリック単価×クリック数」で費用を支払う仕組みです。例えば、クリック単価が100円でクリック数が10回なら、100円×10回で費用は1,000円となります。
クリック単価の上限や、全体の上限をあらかじめ設定すれば、想定外のコストは発生しません。実際に興味を持った求職者からのアクションに対してのみ費用が発生するため、無駄な出費を抑えやすいのが特徴です。
成果報酬型
主な成果報酬型の料金体系は、応募があったときに費用が発生する「応募課金」と、採用が決定したときに費用が発生する「採用課金」の2種類です。求人サイトでは掲載課金型が多く採用されているものの、一部では成果報酬型が採用されています。
応募時の相場は1人あたり1円未満~数万円、採用決定時の相場は1人あたり数万円~100万円以上と幅があります。ただし、媒体側から成果が見込めないと判断される求人は露出が少なくなりやすいなど、案件によっては注力してもらえない可能性がある点に注意が必要です。
完全無料型
完全無料型は、登録から採用に至るまで費用が一切発生しません。しかし、費用がかからない分、多くの企業が利用するため競争が激しく、求人情報が埋もれやすい点に留意する必要があります。応募者の目を引く求人広告をいかに作れるかが重要です。
【採用区分別】求人広告の費用相場
求人広告の費用は、採用区分によって大きく異なります。新卒採用は長期間の採用活動が必要なため高額になりやすいです。一方、中途採用は採用までのスピードが早いため、比較的費用を抑えられます。
ここでは、新卒採用、中途採用(正社員・アルバイト・パート)に分け、それぞれの費用相場と特徴を詳しく解説します。
新卒採用
新卒採用は通常、1年またはそれ以上の期間をかけて行うのが一般的です。そのため、求人広告の掲載期間も長くなり、費用相場は40万円~600万円程度です。費用が増えるほど、
検索結果の上位に表示したり、目立つスペースを確保したりできるようになります。
新卒採用では、上場企業ほど求人広告にかける高額な費用をかける傾向にあります。また、少子化により人材獲得競争が激化しているため、より積極的に投資する企業も少なくありません。
中途採用
中途採用は、欠員補充や事業拡大、新しい知識やノウハウの導入など、必要なタイミングで実施されることが多いです。年単位で行う新卒採用に比べて広告費も抑えられる傾向があります。
しかし、少子高齢化による新卒市場の限界や、日本全体での人材不足を背景に、多くの企業が中途採用を積極化しており、広告費も今後も上昇するでしょう。なお、中途採用では即戦力を求める企業が多く、スキルや経験を重視した採用が行われることが特徴です。
以下で、正社員とアルバイト・パートの費用相場について紹介します。
正社員
中途採用の正社員向け求人広告の費用相場は1ヶ月あたり10~100万円となっています。
即戦力の獲得を目的とすることが多いため、選考では知識や経験に基づいた判断がしやすく、比較的スピーディーにプロセスが進みます。その結果、求人広告の掲載期間や費用も新卒採用より抑えやすいのが特徴です。
アルバイト・パート採用
中途採用のアルバイト・パート向け求人広告の費用相場は、1ヶ月あたり1万~40万円となっています。
新卒採用や中途採用と比べると、応募条件が柔軟でターゲット層が広いため、比較的多くの応募が集まりやすく、必要な人材を効率的に確保できます。その結果、求人広告の掲載期間や費用も抑えやすいです。
【媒体別】求人広告の掲載料の目安
求人広告を掲載できる媒体は多岐にわたります。主要なものは以下のとおりです。
- 求人検索エンジン
- 求人サイト
- 自社採用サイト
- SNS広告
- ハローワーク
- 求人情報誌・折込チラシ
各媒体の掲載料金目安と、それぞれのメリット・デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、「求人ボックス」や「スタンバイ」のように、Web上のあらゆる求人情報が集約されたサイトです。GoogleやYahoo!の求人版と考えるとイメージしやすいでしょう。
求人検索エンジンに掲載するには、求人サイトや自社サイトに載せた採用情報が自動で収集されるのを待つほか、サイト上で直接投稿することも可能です。求人情報が集約されているため、求職者の利用も多く、幅広い層に効率的に求人を届けられる点がメリットになります。一方で、掲載にかかる費用が基本的に無料ということもあり、投稿・収集されている求人情報の数も膨大で、多くの求人の中に埋もれやすいのが課題です。
自社求人を目立たせるためには、求職者の目に留まるような原稿作成や、検索にヒットしやすいキーワードの選定、有料オプションの利用などが効果的です。有料オプションとは求人情報を求職者の目に留まりやすくする機能で、料金体系は一般的にクリック単価型が採用されています。クリック単価あるいは全体の上限設定ができるため、無理のない運用ができます。
令和3年度に行われた厚生労働省による委託調査によると、求人検索エンジンの1人あたりの採用コストは正社員で平均6.4万円、非正社員は平均3.2万円でした。求人検索エンジンの効果的な運用については、ぜひクロスリンクにご相談ください。
求人サイト
求人サイトとは、ひとつのサイト上で求人情報を掲載し、求職者が検索・応募できるサービスです。「マイナビ転職」「エン転職」「リクナビNEXT」などがこれにあたります。
先述の求人検索エンジンとは異なり、特定の運営会社が提供するサイトに求人情報を掲載します。なかには、ITエンジニアや医療系、アルバイト、女性といったように特定の業種やターゲットに絞った求人サイトもあり、求める人材に効率的に情報を届けることが可能です。
料金体系は、掲載期間に応じて費用が発生する掲載課金型が主流ですが、一部では応募や採用の成果に応じて費用が発生する成果報酬型もあります。令和3年度の厚生労働省による委託調査によると、正社員1人あたりの採用コストは平均28.5万円、非正社員1人あたりの採用コストは平均10.8万円でした。
自社採用サイト
企業の公式ホームページに採用ページを設けたり、別に採用に特化したサイトを作成する方法もあります。 デザインやコンテンツの自由度が高いため、企業独自のカラーを反映しやすく、雰囲気や働き方をより具体的に伝えられるのが特徴です。
SNSや求人媒体と連携した情報発信も行えるため、応募者との接点を広げやすく、企業ブランディングの強化にもつながります。 サイト設計やサーバー費用などの一定のコストはかかりますが、一度作れば企業の魅力や情報を発信し続けることが可能です。
令和3年度の厚生労働省による委託調査によると、自社HP等からの直接応募を利用する理由として多かったのは「採用に係るコストが安い(74.4%)」です。自社サイト等からの正社員1人あたりの採用コストは平均2.8万円、非正社員1人あたりの採用コストは平均2.7万円でした。
SNS広告
SNS広告とは、Facebook、Instagram、X、LinkedInなどのSNS上に求人情報や採用関連の広告を配信する手法です。年齢、性別、居住地、職歴、興味関心などの高度なターゲティングが可能なので、求める人材に効率的にアプローチできます。
料金はクリック課金型や、広告が1回表示されるごとの課金、動画再生時間による課金など、SNSによって異なります。クリック課金型であれば上限設定を行うことでコストをコントロールできますが、効果を出すには3万~30万円が相場です。
ハローワーク
ハローワークは、国(厚生労働省)が運営する雇用サービス機関です。求職者と企業を無償でつなげるサービスのため、費用はかかりません。全国に500箇所を超える施設を展開しているため、地域に根ざした採用活動が可能です。
また、「ハローワークインターネットサービス」を通じてWeb上で求人を掲載できる仕組みも整備されています。その情報は求人検索エンジンにも反映されるため、コストをかけずに幅広い層へ情報を届けられるのが特徴です。
一方で、希望する人材に出会えないケースや、自社の職種に対するニーズが弱い場合もあります。例えば年齢層を見てみると、ハローワークの利用者は60歳以上の者が最も多く、次いで50歳以上、40歳以上、30歳以上、20歳以上と年齢層が高めな傾向です。
また、求職者の希望職種として最も多いのは事務的職業、次いで専門的・技術的職業、サービス業と続きます。そのため、自社の採用ターゲットや市場の動向に応じて、ほかの媒体も検討することが大切です。
※出典元:ハローワークの求人・求職情報提供サービス に関するアンケート調査結果概要
求人情報誌・折込チラシ
求人情報誌や折込チラシは、紙媒体を通じて求職者に直接アプローチできる方法です。特定の地域に配布するため、そのエリアで働きたいと考える人材にリーチしやすいのが特徴です。また、インターネットに不慣れな層にも届きやすいというメリットもあります。一方で、限られたスペースで魅力を的確に伝える工夫は必要になってくるでしょう。
費用は地域や掲載サイズなどによって変わりますが、1週間あたり数千円~3万円ほどが相場です。令和3年度の厚生労働省による委託調査によると、正社員1人あたりの採用コストは平均11.3万円、非正社員1人あたりの採用コストは平均7.7万円でした。
まずは、無料から始めてみたい場合は、無料で掲載できる求人サイトについても参考にしてみてください。
>無料求人サイト一覧|掲載コスト0円で採用を成功させる方法 – しゅふJOB
まとめ
求人広告の費用相場は採用区分や媒体によって大きく異なります。新卒採用では40~600万円、中途採用の正社員では月10~100万円、アルバイト・パートでは月1~40万円が目安です。料金体系も掲載課金型、クリック課金型、成果報酬型、完全無料型と多様で、それぞれにメリット・デメリットがあります。
媒体選択においては、求人検索エンジンの採用単価が比較的低いです。一方、求人サイトは高額になる傾向があり、ハローワークは無料で利用できるものの年齢層が高めという特徴があります。
費用対効果を高めるためには、採用したい人材像を明確にし、ターゲットに適した媒体を選択することが重要です。また、魅力的な求人原稿の作成と継続的な効果測定・改善により、限られた予算で最大の成果を得ることができるでしょう。求人広告の運用でお困りの際は、ぜひクロスリンクまでご相談ください。