Indeedの自動アプローチ機能(スカウト)で期待できる効果・設定方法

澤田 有佑

WRITER澤田 有佑

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「応募を待つだけでなく、企業側からもっと積極的に採用活動を進めたい」
採用活動において、このような「攻めの姿勢」を持ちたいと考える担当者の方は多いのではないでしょうか。

結論、Indeedにて法人番号認証が完了している企業の「正社員/契約社員/アルバイト・パートを募集中のスポンサー求人(有料掲載)」であれば、追加での予算設定が不要で自動アプローチ機能がお使いいただけます。

弊社クロスリンクの事例として、自動アプローチ機能を活用したところ、応募数が0件から6件へと飛躍的に増加したケースもあわせてご紹介します。

ただ求人を掲載して応募を「待つ」だけでは、求める人材に出会う機会を逃してしまう可能性があります。企業側から候補者へ能動的に働きかける「攻める採用」として効果が期待できます。

Indeedの自動アプローチ(スカウト)機能とは?

厳密には、Indeedの採用者向け管理画面に「スカウト」という機能はありません。しかし、それに代わる機能として、「自動アプローチ機能」が提供されています。

Indeedの自動アプローチ(スカウト)機能に関するフロー図

これは、多くの転職サイトで「スカウトサービス」と呼ばれているものと同様に、経験やスキルがマッチする求職者に求人を自動で届けることで、効率的な採用成功を支援する仕組みです。この機能には、主に3つのメリットがあります。

  • 候補者絞り込み機能で効率的なマッチング
    設定した条件に基づき候補者を絞り込むため、より自社の求める人材像に近い求職者との出会いが期待できます。
  • 条件を満たす求職者へ自動で常時アプローチ
    一度設定すれば、条件に合う求職者に対して自動的かつ継続的にアプローチを行うため、採用担当者の手間を省きつつ、機会損失を防ぎます。
  • 採用スピードの向上
    企業側から直接働きかけることで、求職者の認知度や応募意欲を高め、候補者形成から採用決定までの期間を短縮できる可能性があります。
Indeed自動アプローチの「応募を待つ受け身の採用から、企業自ら求職者に働きかける採用」の流れが分かる図解

Indeedでは、これまでの「応募を待つ」採用手法だけでなく、企業様から候補者へ働きかけて応募を獲得していくことが可能になりました。

Indeed自動アプローチ機能のメリット・デメリット

メリット

  • 転職潜在層にもアプローチ可能
    通常の求人掲載では出会いにくい「良い求人があれば考えたい」という層にもアプローチできます。
  • ターゲッティング精度の向上
    あらかじめ条件を設定してアプローチするため、自社の求める要件に近い候補者からの応募が期待できます。
  • 採用工数の削減
    候補者の選定からアプローチまでを自動化できるため、採用担当者の工数を大幅に削減できます。

デメリット

  • 有料掲載が必須
    この機能を利用するには、求人をスポンサー求人(有料掲載)にする必要があります。
  • アプローチメッセージを編集できない
    送信されるメッセージは求人情報に基づいて自動で作成されるため、個別のカスタマイズはできません。
  • ターゲティングを誤ると効果が出にくい
    条件設定が甘すぎたり、厳しすぎたりすると、効果的なアプローチができない可能性があります。

Indeed自動アプローチ機能の利用条件・対象者・料金体系

利用条件・対象者・料金体系について、以下を解説します。

利用条件とアプローチ対象者
料金体系

利用条件とアプローチ対象者

自動アプローチ機能をご利用いただくには、以下の条件を満たす求人を掲載している必要があります。

Indeedでの自動アプローチ機能の利用条件・対象者・料金体系の解説

※2 求職者のプロフィール公開設定やレジュメ登録の有無などの条件があります。

利用企業法人番号認証済みの企業
募集状況募集中であること
対象雇用形態正社員・契約社員・アルバイト/パート
掲載状態スポンサー求人(有料掲載)であること
アプローチ対象Indeedの登録者、タウンワークの求職者、リクナビNEXTの求職者
※諸条件※2を満たしている求職者が対象です。

料金体系

機能の利用自体に追加料金はかかりません 。

通常のスポンサー求人と同様、アプローチ経由で求人がクリックされた場合にのみ費用が発生する「クリック課金制」です。

【図解】Indeed自動アプローチ機能の正しい設定方法

管理画面上から単一・複数求人に設定する

設定はIndeedの管理画面から簡単に行えます。

①求人一覧画面から該当求人にチェックを入れて、自動アプローチ設定をクリックする
Indeed自動アプローチ機能の正しい設定方法①求人一覧画面から該当求人にチェックを入れて、自動アプローチ設定をクリックする
②必須要件・歓迎要件を設定する
Indeed自動アプローチ機能の正しい設定方法②必須要件・歓迎要件を設定する
※上の枠が歓迎要件、下の枠が必須要件
③自動アプローチ設定をオンにする
Indeed自動アプローチ機能の正しい設定方法③自動アプローチ設定をオンにする

【必須要件】正社員とパートアルバイトの違い

自動アプローチ機能の必須要件では、正社員・契約社員と、パート・アルバイトで設定できる項目が異なります。

必須要件を設定する際は、それぞれの雇用形態に合わせて、より効果的な条件設定を行いましょう。

正社員の必須要件

正社員・契約社員の募集では、候補者の希望勤務地職歴最終学歴、さらには特定のスキルや資格を示すキーワードなどを必須要件として設定できます。

これは、候補者のこれまでのキャリアや専門性を重視した絞り込みに役立ちます。

Indeed自動アプローチの正社員の必須要件の設定画面

パートアルバイトの必須要件

一方、パート・アルバイトの募集では、週あたりの勤務日数平日・休日のシフト希望する雇用期間といった、働き方の条件を細かく設定できます。

職歴に加えて、候補者の「働ける時間帯」を重視することで、店舗や現場のシフト状況に合った人材へアプローチすることが可能です。

Indeed自動アプローチのパートアルバイトの必須要件
※1求人の投稿時期・方法により標準設定は異なります。

Indeed自動アプローチ機能の効果を最大化するための運用ポイント4選

運用ポイント4選はこちら。

ポイント1:2種類の条件設定を使いこなす
ポイント2:応募者ステータスのこまめな更新
ポイント3:採用ペルソナを明確にする
ポイント4:効果測定と改善(PDCA)を行う

ポイント1:2種類の条件設定を使いこなす

本機能では「必須要件」と「歓迎要件」の2種類を設定できます 。

  • 必須要件
    「候補者を絞るための絶対的な条件」です。ただし、設定しすぎるとアプローチ対象が極端に狭まる可能性があるため、本当に譲れない資格など、最低限の項目に留めるのが効果的です。
  • 歓迎要件
    必須ではないものの、あると望ましいスキルや経験(例:特定の業界経験、使用可能なツールなど)を設定します。歓迎条件は、候補者の優先順位付けや、よりマッチ度の高い人材を見つけるのに役立ちます。関連キーワードをできるだけ多くつけるのがおすすめです。

次は歓迎要件の設定例を見ていきましょう。

不動産営業の設定例(歓迎要件)

新規開拓をメインとする不動産営業職(法人・個人問わず)を想定した設定例です。

不動産関連の専門スキルや資格だけでなく、関連性の高い金融業界(証券など)の経験や、高い営業力が求められる職務を幅広く含めることで、経験豊富な営業担当者へのアプローチを狙います。

Indeed自動アプローチの不動産営業の設定例(歓迎要件)

【設定キーワードの詳細】
具体的には、以下のようなスキルや経験をグループに分けて設定しています。

営業スキル・手法
ルート営業, 顧客折衝, 提案内容検討, キーパーソン特定, 顧客課題ヒアリング, オンライン営業, リード創出/アポ獲得, アップセル, 新規顧客, 営業, インバウンド反響営業, アウトバウンド営業, クロスセル, 訪問営業, クロージング, 提案書作成, 市場調査, 直販営業, インサイドセールス/電話営業
関連資格・知識
宅地建物取引士, マンション管理士, 1級FP技能士, 資産運用方針アドバイス
関連業界・経験
デベロッパー, ゼネコン, 販売仲介, 不動産管理会社, 証券会社
アプローチしたい役職・顧客層
最終顧客 民間企業, 営業先 係長, 営業先 課長/マネージャー, 営業先 取締役, 営業先 執行役員, 営業先 本部長, 営業先 部長, 営業先 主任/リーダー, 営業先 社長, 営業先 会長

テレアポ獲得のコールセンター設定例(歓迎要件)

次に、未経験者も視野に入れ、テレアポ獲得を目的としたコールセンター職の設定例です。ここでは、インサイドセールスや電話対応といった直接的なスキルに加え、様々な規模のコールセンター運営経験者を歓迎要件に入れることで、潜在的な候補者を広く探しています。

Indeed自動アプローチのテレアポ獲得のコールセンター設定例(歓迎要件)

【設定キーワードの詳細(テキスト)】
具体的には、以下のようなスキルや経験をグループに分けて設定しています。

電話応対・セールススキル
インサイドセールス/電話営業, 電話クレーム対応, 顧客折衝, 電話問い合わせ対応, 顧客課題ヒアリング, オンライン営業, リード創出/アポ獲得, 契約更新提案, アップセル, 営業, インバウンド反響営業, アウトバウンド営業, クロスセル, クロージング, アポイント獲得, 顧客提案
営業企画・戦略
提案内容検討, キーパーソン特定, 営業先リストアップ, 新規顧客, 訪問営業, トラブル対応
運営・マネジメント経験
既存体制強化, コールセンターコンサルティング, 規模1人~29人のカスタマーサポート/コールセンター運営経験, 規模30人~49人のカスタマーサポート/コールセンター運営経験, 規模50人~99人のカスタマーサポート/コールセンター運営経験, 規模200人以上のカスタマーサポート/コールセンター運営経験

さらに、ここからターゲットを絞り込みたい場合は、業界知識を追加します。

例えば、この求人が不動産業界のコールセンターであれば、前述の不動産営業で挙げた「不動産活用提案」や「不動産管理会社」といったキーワードを追加することで、より親和性の高い候補者へのアプローチ精度を高めることができます。

このように、ターゲットに合わせて歓迎要件を戦略的に設定することが、アプローチの精度向上に繋がります。

ポイント2:応募者ステータスのこまめな更新

Indeed自動アプローチ機能の効果を最大化するための運用ポイント。応募者ステータスのこまめな更新の重要性を伝える画像

応募者の選考状況を管理画面でこまめに更新することは、アプローチの精度を改善するために必須の作業です。ステータスを更新することでシステムの機械学習が促進され、より貴社に合った候補者へアプローチしやすくなります。

より効果的に精度を高めるため、特に以下の3つのポイントを意識して更新を行いましょう。

  • 1. 最低でも週に1回はステータスを更新する
    システムの学習頻度を維持するため、定期的に応募者情報を確認し、ステータスを最新の状態に保つ習慣をつけましょう。
  • 2. 「未対応」のまま放置せず、正しいステータスに変更する
    システムは「未対応」以外のステータス(例:「書類選考中」「面接中」など)を分析して学習します。そのため、応募者を「未対応」のままにせず、一人ひとりの実態に合わせた正しいステータスへ変更することが重要です。
  • 3. 選考を通過した候補者は優先的にステータスを変更する
    特に、書類選考や面接を通過した候補者のステータスは、優先的に更新しましょう。これにより、システムが貴社の採用基準(どのような候補者を評価しているか)をより深く学習し、将来的にさらに精度の高いマッチングが可能になります。

ポイント3:採用ペルソナを明確にする

どのような人材を採用したいのか、具体的な人物像(ペルソナ)を明確にすることで、より効果的な条件設定が可能になり、マッチング精度が向上します。

ポイント4:効果測定と改善(PDCA)を行う

この機能におけるPDCAとは、主に「歓迎要件」の組み合わせをテストし、最適化していく作業を指します。

1. 歓迎要件の複数パターン(例:専門スキル特化型、汎用スキル中心型など)を用意する。
2. 一定期間、1つのパターンで運用し、クリック数や応募単価の変化を記録する。
3. 別のパターンに切り替えて同様に計測・比較する。
4. 最も費用対効果の高い設定を見つけ出す。

このサイクルを回すことで、継続的に採用効率を改善していくことができます。

ここまで運用ポイントを解説しましたが、ノウハウやリソースが不足している企業にとって、自社だけで運用を行うのは簡単ではありません。

リソース不足を補う方法として、Indeed代理店による運用代行サービスが注目されています。

こちらの記事では、Indeed代理店の役割や種類、依頼するメリット・デメリット、代理店を選ぶポイントなどについて、詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

Indeed自動アプローチの導入事例

ある企業の営業の求人において自動アプローチ機能を導入した結果、採用活動の指標が大きく改善した事例をご紹介します。

項目利用前利用後変化率(%)
表示回数2,9262,132-27.14%
クリック数82178.0+117.07%
クリック率2.81%8.38%+198.22%
応募数06.0
応募単価15,000

注目すべきは、応募数が0件から6件へと飛躍的に増加した点です。

Indeedの管理画面では、自動アプローチ単体での数値(表示回数など)は確認できませんが、アプローチ経由のクリックは求人全体のクリック数に加算されます。

そのため、この事例のようにクリック数とクリック率が大幅に向上した場合、機能が効果的に働いていると判断できます。

費用は同じままクリック数が増えたことでクリック単価が下がり、結果として採用効率の大幅な改善に成功しています。

Indeed自動アプローチに関するよくある質問(FAQ)

Q. Indeedにスカウト機能はありますか? 

A. Indeedに「スカウト」という名前の機能はありません。しかし、「自動アプローチ機能」が実質的にその役割を果たします。

あらかじめ設定した条件に合う候補者に自動でアプローチ(オファー)を送付できるため、他の求人媒体におけるスカウト機能に近い運用が可能です。

Q. 求職者はスカウトを受け取る/受け取らないの設定はできますか?

こちらは可能です。スカウトメールは「プロフィールの設定」から受け取る設定にしている候補者のみに配信されます。(「スカウトメール」とは?を参照)

Q. これだけは抑えておきたいノウハウはありますか?

歓迎条件をできるだけ多くの適切なキーワードで設定し、必須条件は最低限にし、マッチ度の最大化と送信数の最大化を図るのがおすすめです。

Q. ⾃動アプローチ経由の応募者かどうかを確認する⽅法はありますか?

⾃動アプローチ経由の応募者の確認は採⽤企業の応募者管理画⾯で確認が可能です。

Q. 送信先の選択∕送信履歴の確認はできますか?

どのアプローチ対象にアプローチを送るかの選択はできず、送信履歴も確認できません。

まとめ

Indeedの自動アプローチ機能は、従来の「待ちの採用」から脱却し、「攻める採用」を実現するための強力なツールです。本記事でご紹介した設定方法や運用のコツ、数値の分析方法を活用し、ぜひ貴社の採用活動にお役立てください。

自動アプローチ機能は採用効率を上げてくれますが、「こまめに管理画面を見れない」「忙しくて採用活動がおろそかになっている」という方もいらっしゃるかと思います。

弊社クロスリンクでは、Indeed認定パートナー「SILVER+」の実績と、一般的な相場より低い手数料で高品質なサポートを提供しています。

「必ず担当がつく専任体制」「経験豊富な運用者による伴走支援」など、より丁寧で専門性の高いサポート体制も魅力です。これから、Indeedでの採用活動を行おうとしている企業様は、ぜひお気軽にクロスリンクにご相談ください。

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澤田 有佑

WRITER

澤田 有佑

株式会社クロスリンク取締役。システムエンジニアを経て独立し、年間1億円以上のWeb広告運用やSEO実務を経験。Indeed認定パートナー(Silver+)、求人ボックスダブルスター代理店として、中小企業から大手企業まで採用課題を幅広く支援。応募数改善や採用単価削減の成功事例を多数持つ。現在は生成AIを活用した求人広告運用・コンテンツ制作に注力し、本メディアで採用マーケティングの最新知見を発信している。

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