「Indeed PLUSのクリック単価が高騰していて困っている…」
「費用対効果を改善したいが何をすれば良いかわからない…」
Indeed認定パートナーであるクロスリンクが、長年の運用実績と一次データに基づき、クリック単価の仕組みから、具体的な費用対効果の改善方法まで、実践的な視点で詳しく解説します。
この記事を読めば、貴社のクリック単価が適正か判断できるようになり、明日からコストを抑えるための具体的なアクションプランが分かります。
Indeed PLUSって何?一言でいうと「求人配信プラットフォーム」

『Indeed PLUS』とは、一言で表すと、Indeedが新たに提供を開始した「求人配信プラットフォーム」です。これは、企業様が掲載した求人情報を、Indeedだけでなく、Indeed PLUSが求人を自動で最適な連携求人サイトに配信する※新しい仕組みのこと。
この仕組みを通じて、Indeedは採用企業と求職者のつながりを強化し、採用プロセス全体をサポートすることを目指しています。
※Indeed PLUS連携求人サイトのうち、求人の内容・特性や閲覧・応募状況等に照らしてIndeedが最も当該求人に相応しいと判断した連携求人サイトへ自動掲載します。
※Indeed PLUS 利用の際には、Indeedの利用規約、掲載基準、使用制限が適用されます。
Indeed PLUSの全体像(メリットや始め方など)についてまず知りたい方は、以下の総合ガイドもあわせてご覧いただくと、より理解が深まります。
Indeed PLUSの料金体系とクリック単価の基本

まず、Indeed PLUSの料金体系と、この記事のテーマである「クリック単価(CPC:Cost Per Click)」の基本について正しく理解しましょう。
Indeed PLUSの料金は「クリック課金制」です。これは、広告が表示されるだけでは費用は発生せず、求職者がクリックした時に初めて料金が発生する、合理的な仕組みです。しかし、だからこそ1クリックの質と価格、つまりクリック単価の適切な管理が重要になります。
ただし、Indeed PLUSのクリック単価を決定する具体的な配信ロジックは、公式には公開されていません。
そこで本記事では、まずWeb広告の一般的な仕組みを解説することで、クリック単価の基本的な考え方のイメージを掴んでいただくことを目指します。
【一般論】Web広告のクリック単価はどう決まる?
Indeedのクリック単価を理解するために、まずはWeb広告の世界でクリック単価がどのように決まるのか、その基本的な考え方を見ていきましょう。
Google広告に学ぶ「オークション」と「品質」の仕組み
多くのWeb広告のクリック単価は「オークション(入札)」で決まります。その仕組みには、主に以下の3つの要素が関係しています。
要素 | 概要 |
---|---|
①オークション制 | 広告が表示されるたびに入札が行われます。表示順位は、単純な入札額だけでなく「入札額 × 広告の品質」で算出される総合スコアで決まります。 |
②第二価格方式 | オークションに勝利しても、自分が入札した満額ではなく、2位の相手に勝つために最低限必要な金額(+1円)だけを支払う仕組みです。 |
③品質の構成要素 | 広告がユーザーにどれだけ有益かを示す指標です。主に「クリックされやすさ(予測クリック率)」や「検索キーワードとの関連性」などから評価されます。 |
品質を高めることは、入札額を抑えつつ、有利なポジションを安価に獲得するための最も重要な戦略なのです。
Indeedの「自動入札ツール」とは?
Indeedにも、この複雑な入札調整をサポートする機能があります。
- 自動入札ツール
Indeed独自の高度な分析機能を使って、設定した求人広告の予算を自動的に最適化できる機能です。より適した求職者に求人が表示されるようになります。
このように、Indeedも独自の機能を用いて、クリック単価や予算配分を最適化していることが分かります。
最重要指標!クリック単価(CPC)と応募単価(CPA)の違い
採用担当者様が最終的に追うべきゴールは応募単価(CPA:Cost Per Acquisition)です。
指標 | 役割 |
---|---|
CPC | 採用活動の「過程」の指標。候補者を効率的に集客できているかを示します。 |
CPA | 採用活動の「成果」の指標。一人の応募者を獲得するのに、いくらかかったかを示します。 |
クリック単価は、最終ゴールであるCPAを改善するための中間指標と捉え、両方のバランスを見ながら運用することが重要です。
職種別クリック単価の相場イメージ
ここでは、弊社クロスリンクの運用データや調査に基づき、Indeedにおける職種別のクリック単価相場をご紹介します。Indeed社が出している公式データではありませんので、自社の単価を客観視する一つの目安としてご活用ください。
職種別クリック単価相場(クロスリンク調べ)
職種 | クリック単価の相場 |
---|---|
IT | 140円~150円 |
SCM/生産管理/購買/物流 | 170円~190円 |
インフラ専門職 | 320円~390円 |
エグゼクティブ | 190円~210円 |
クリエイティブ/デザイン職 | 110円~130円 |
コーポレートスタッフ | 120円~140円 |
コンサル/士業/リサーチャー | 220円~270円 |
サービス/接客 | 190円~240円 |
医薬品専門職 | 150円~170円 |
医療/福祉専門職 | 210円~240円 |
医療機器/理化学機器専門職 | 90円~130円 |
飲食 | 260円~350円 |
営業 | 330円~390円 |
化学/素材専門職 | 190円~260円 |
化粧品/トイレタリー/日用品/アパレル専門職 | 150円~170円 |
学術研究 | 90円~110円 |
企画/マーケティング/カスタマーサクセス/サポート | 160円~180円 |
機械/電気/電子製品専門職 | 280円~330円 |
教育/保育専門職 | 230円~250円 |
金融専門職 | 140円~220円 |
建築/土木/プラント専門職 | 390円~490円 |
交通/運輸/物流専門職 | 210円~270円 |
公務員/団体職員/農林水産 | 90円~140円 |
事務/受付/秘書/翻訳 | 100円~130円 |
出版/メディア/芸能/エンタメ専門職 | 130円~140円 |
小売販売/流通 | 210円~260円 |
食品/香料/飼料専門職 | 160円~210円 |
人材サービス専門職 | 200円~220円 |
不動産専門職 | 260円~330円 |
上表の通り、クリック単価は職種によっては数倍の差があります。これは各職種の「競合性」、つまり人材の需要と供給のバランスが価格に反映されているためです。
応募単価(CPA)改善の設計図「KPIツリー」
各指標の因果関係を体系的に整理したものが「KPIツリー」です。応募単価の改善には、クリック単価、応募率など複数の要素が連動していることが分かります。

この中から特に「クリック単価」を改善する方法に焦点を当てて、具体的なアクションを解説します。
Indeedのクリック単価を改善する求人原稿の作り方
クリック単価が高止まりしている時、まず見直すべきは「求人原稿そのものの質」です。ここでは、求人原稿の改善を通じてクリック単価の最適化に繋がる2つのアプローチをご紹介します。
アプローチ1:表示回数を増やす(求人情報の最適化)
表示回数を底上げするコツは、求職者が使う検索キーワードと求人情報との関連性を高めることです。
1.求人の分割(1求人1ポジションの原則)
1つの求人票には、1つの採用枠の情報のみを記載するのが大原則です。「営業も事務も同時募集!」のような求人は、「営業職」「事務職」と必ず分割しましょう。雇用形態や待遇、勤務時間が明確に異なる場合も同様です。求人を適切に分割することで、各ポジションの特徴が明確になり、関連性の高い検索でより多く表示されるようになります。
【次のステップ】 まずは自社の求人票一覧を確認し、「1求人1ポジションの原則」が守られているかチェックしてみましょう!
2.求人原稿のキーワード最適化
求職者が検索しそうなキーワード(例:「ルート営業」「未経験」など)を仕事内容に自然に盛り込みましょう。 ただし、文脈を無視して「営業, 未経験, インセンティブ」のようにキーワードを羅列する「キーワードスタッフィング」は逆効果です。あくまで文章の中に、自然な形で溶け込ませるように心がけてくださいね。
アプローチ2:クリック率を高める(求人の魅力を最大化)
クリック率を高める鍵は、一覧画面での訴求力です。
1.効果的な画像の設定
画像は一覧画面で最も目を引く要素です。Indeed直接投稿では最大5枚まで設定可能。「職場の雰囲気」や「働く仲間」が伝わる写真を選び、「未経験歓迎!」「高収入」といった魅力を文字として入れるのも非常に効果的です。

2.具体的な職種名の書き方
「事務スタッフ」のような曖昧な職種名は、無駄なクリックを増やす原因になります。「一般事務(データ入力・電話応対)」のように、仕事内容が具体的にイメージできる職種名にしましょう。

3.キャッチコピーの工夫
Indeed直接投稿の「キャッチコピー」機能も、「年間休日125日以上」や「インセンティブ」など、求人の魅力を伝える上で非常に有効です。

【クロスリンクの事例】予算配分で見るクリック単価の高騰パターンと対策
ここでは、実際の運用事例を基に、クリック単価が高騰する原因と、その戦略的対策を解説します。
事例:コールセンター求人で予算を下げ、応募単価の改善に成功
ある製造系の求人において、早期充足を目指し月額60万円の広告費を投下していました。しかし、期待した成果は得られず、以下の課題に直面していました。
- クリック単価の高騰(約1,500円)
- 低い応募率(2.5%)
- 高い応募単価(約60,000円)
解決策:戦略的な予算削減
この状況を改善するため、広告費用を約半分の30万円に削減する施策を実施しました。
結果:劇的な改善を実現
指標 | 改善前 | 改善後 | 変化率 |
---|---|---|---|
広告費用 | 600,000円 | 300,000円 | -50% |
クリック単価 | 1,500円 | 400円 | -73% |
応募率 | 2.5% | 4.0% | +60% |
応募数 | 10件 | 30件 | +200% |
応募単価 | 60,000円 | 10,000円 | -83% |
なぜこの結果が生まれたのか 予算削減により以下の好循環が生まれたと推測されます。
- クリック単価の適正化: 過度な競争から脱却し、単価が大幅に下降
- ターゲティングの精度向上: より関心の高い求職者への露出が増加
- 応募率の改善: 質の高いクリックが増え、応募につながる確率が向上
この事例は、「多額の予算投下=高い成果」という思い込みを覆す重要な示唆を与えています。適切な予算設定こそが、効率的な採用活動の鍵となることが実証されたと言えると思います。
なぜ高騰する?予算とクリック単価の関係について
限られた求人数で高額な予算を消化しようとすると、Indeedのシステム内では以下の連鎖が起こっていると、私たちは考えています。
- 1.予算消化には「クリック数」が必要
2.クリック数を増やすには「表示機会」が必要
3.表示機会を増やすには「入札単価」を上げて競り勝つ必要がある
この結果、クリック単価が自動的につり上がり、費用対効果が悪化するという動きでは無いかと考えています。通常の運用でも「予算を上げればクリック単価も緩やかに上がる」傾向はよく見られるため、「今の求人数に最適な予算はいくらか?」を常に見極める必要があります。
重要な注意点:「予算を下げれば良い」わけではない
ただし、この結果を見て「予算は常に下げた方が良い」と判断するのは危険です。
予算を増やすべきケース 求人数が多い、競合が激しい業界、採用急務の場合など |
予算を下げるべきケース 本事例のように、現在の予算が求人数に対して過剰な場合 |
重要なのは、自社の求人数と市場環境に対して「適切な予算」を見極めることです。予算が少なすぎれば露出不足で応募数が減り、多すぎれば本事例のようにクリック単価が高騰します。この「適切な予算ライン」を見つけることが、非常に重要です。
結論:費用対効果が合う予算の上限とポートフォリオ戦略
この事例から導き出されるのは、「求人数や求人の質、市場環境によって、費用対効果が最大化する予算は変わってくる」ということです。
最も効率の良い予算感を見極め、Indeedからの応募・採用を最大化したで、余剰予算を「求人ボックス」や「スタンバイ」等へ振り分けるポートフォリオ戦略が、採用全体の成功において非常に大切です。
クリック単価 改善チェックリスト
ここまで解説したポイントを、実践しやすいチェックリストにまとめました。
- 求人は「1求人1ポジション」で分割されているか?
- 求人原稿に、求職者が検索しそうなキーワードは自然な形で含まれているか?
- 画像は5枚設定し、魅力的なポイントを文字入れしているか?
- 職種名は、仕事内容が具体的にイメージできるように工夫されているか?
- 採用目標に対して、広告予算が過剰になっていないか?
運用改善のご相談は、ぜひクロスリンクへ
本記事では、クリック単価の仕組みから改善方法までを解説しました。 しかし、「自社に最適な予算はいくらか?」「ポートフォリオをどう組めば?」といったお悩みは、企業様の状況によって様々です。
もし、ご自身の運用に不安がある、あるいは、より高いレベルで費用対効果を改善したいとお考えでしたら、ぜひ一度、私たちクロスリンクにお気軽にご相談ください。 貴社の状況を丁寧にヒアリングし、これまでの豊富な実績とデータに基づいた、最適な改善プランをご提案させていただきます!